撃鉄げきてつ)” の例文
……然るのち、撃鉄げきてつをあげて……それ、こうして狙いをつける。……頭を、もちっとうしろへ引く!……その手を適当にのばす。……そう、よろしい。
陽炎かげろうのようなものが立つのか像はゆらゆらする。岩角に銃身じゅうしんを乗せ、宇治は身体を曲げて岩によりかかった。片眼を閉じて頬を岩肌にあて、指を撃鉄げきてつにかけた。照星の彼方に高城の姿が小さく揺れる。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)