掏摸)” の例文
掏摸る者はなお一さうの修錬を要し、敏活機敏、心の構へ、狙ひ、早業、鋭利なる刃物の如く磨かれた人物が完成する、県民皆々油断なく、油断のならぬ人物となり
総理大臣が貰つた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
技術は名人のほまれ高く、如何なる名手といへどもこの人を掏摸るあたはず、如何ほど要心を怠らなくともこの人にかかつては掏摸スラれてしまふといふ老練の巧者を据えるのが宜しからう。
総理大臣が貰つた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
公園のベンチにもたれ読書に耽る人のそばへれ狎れしく近寄つて、ちよつと火を貸して下さいませんかなどと言ふ失礼な者は全くゐなくなるのである。必要ならば掏摸るべきである。
総理大臣が貰つた手紙の話 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)