挙措きよそ)” の例文
旧字:擧措
言語げんぎよには尋常女子の敢て口にせざることばがあり、挙措きよそには尋常女子の敢て作さざる振舞があつた。たかはつねに磯野勝五郎、小野富穀ふこくともがらと酒を飲んで快談した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それは、この婦人の態度なり、挙措きよそなりが、少しも自分の息子の死を、語つてゐるらしくないと云ふ事である。眼には、涙もたまつてゐない。声も、平生の通りである。
手巾 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)