持明院統じみょういんとう)” の例文
さらには「尊氏とて、皇室を思う心は一つ。ただ現帝に代えて、持明院統じみょういんとうの君を立てて、世を安きにおかんと思うばかり……」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼が、切望に切望していた持明院統じみょういんとうのお一ト方による院宣いんぜんはついにこの日までまだ手にすることができなかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尊氏のことばによって、持明院統じみょういんとう院宣いんぜんここにわれらへくだる——と、満座へ発表されたものであろう。室山の城もゆるぐばかりな歓声が突然わっとそこで揚がった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この持明院統じみょういんとうきみは、さきに尊氏へたいして、尊氏がうた宣旨せんじを降下し、錦の旗をも与えていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……ただただ憂いのみにござりまする。いまや尊氏の許には、持明院統じみょういんとうきみの院宣もひそかに降下されておること。——君と君との血みどろを、臣として、何で心なく見ておられましょうか」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう一つの大きな反後醍醐派は、持明院統じみょういんとうとよぶものだった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)