抹香鯨まっこうくじら)” の例文
坊さんは、固い物体の大きな一片を持ち出して、これは木が石になった物だといった。よく見ると抹香鯨まっこうくじらの下顎の破片である。
と見れば百メートルのところに、思いもよらず押寄せていた抹香鯨まっこうくじら、それは十間以上十五間はあろうところの一団が、しおを吹いて南へ向って行くのです。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
雲の切れ目から陽光ひかげが洩れると、潮の林が鮮かに浮きあがる。どうやら仔鯨を連れて北へ帰る、抹香鯨まっこうくじらの一群らしい。船は、快いリズムに乗って、静かに滑り続ける。
動かぬ鯨群 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
大きな抹香鯨まっこうくじらだった。しかも、鯨のやつ、白いおなかを上に向けて、悠々潮流に乗っている。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
二 抹香鯨まっこうくじらと人造島
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)