托塔たくとう)” の例文
「なんの、この劉唐りゅうとうだって、腕には覚えがあるつもりだ。まして托塔たくとう天王様に、うんといって、一つ乗り出していただければだ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我は托塔たくとう天王の二太子、木叉恵岸もくしゃえがん。これにいますはすなわち、わが師父しふ、南海の観世音菩薩かんぜおんぼさつ摩訶薩まかさつじゃ。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さきの統領、托塔たくとう天王ノ晁蓋ちょうがいです。しかしいま思えば、それも上天のこころだったものでしょう。われらを冥界めいかいから見まもってくれるために……。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あなたが、世間で名高い托塔たくとう天王の晁蓋どのか。ほかの方々の尊名も、昨夜書中でみな伺った。いずれも名だたるお人々、いや山寨さんさいにとってもこんな光栄なことはない」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)