打開ぶちま)” の例文
と姑に言われて、豊世はかえって気の毒な思をした。彼女は何もかも打開ぶちまけて、話す気に成った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
成程こいつあ、そのな、へッへッ、誰方どなたかに向っての姉さんの心意気では……お邪魔になるでございましょうよ。奥歯にものが挟まったってたとえはこれだ。すっぱり、打開ぶちまけてお出しなせえまし。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
こう打開ぶちまけて罪人の旧悪を言立てるような調子に出られては、お隅も平気でいられません。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『よし、明日は先生に逢つて、何もかも打開ぶちまけて了はう。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)