或香にほひ)” の例文
そこには漂つてゐる或香にほひがあつた。私は直ぐそれを嗅覚と心霊とに感じた。何と言つたらいゝか其にほひは、今が今まで吸つて来た外の空気とは、まるきり、異つてゐた。天井は高かつた。
トラピスト天使園の童貞 (新字旧仮名) / 三木露風(著)