我勝われが)” の例文
それッというので、人々は我勝われがちに逃げ出した。しかしやがて、こわいもの見たさで、またソロソロと群衆は引きかえして来た。
地中魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
幾多の顔の、幾多の表情のうちで、あるものは必ず人の肺腑はいふに入る。面上の筋肉が我勝われがちにおどるためではない。頭上の毛髪が一筋ごとに稲妻いなずまを起すためでもない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
我勝われがちにと、ずぶ濡れの頭をうち振ると早くも背後をふり向き、牙を鳴らし、前脚をはたいた。だが
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)