尾州の家中成瀬隼人正なるせはやとのしょうの女中方、肥前島原の女中方、因州いんしゅうの女中方なぞの通行が続きに続いた。これが馬籠峠というところかの顔つきの婦人もある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「もっともだ、明かすことにしよう。……尾張家の附家老つけがろう、犬山の城主、成瀬隼人正なるせはやとのしょうの家臣、旗頼母はたたのも、それが俺だ」
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
現に尾州藩の家老の成瀬隼人正なるせはやとのしょうが書いた「金鱗紛失記」というものがあると教えてくれたので、私たちも大いに力を得て、いよいよその柿の木金助を四幕に脚色することにした。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
寛永の昔成瀬隼人正なるせはやとのしょうが父の遺命によって建立の永代「浜の常夜燈」。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)