慚悔ざんかい)” の例文
良心は疾呼しっこして渠を責めぬ。悪意は踴躍ゆうやくして渠を励ませり。渠は疾呼の譴責けんせきいては慚悔ざんかいし、また踴躍の教峻を受けては然諾せり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
森先生の渋江抽斎しぶえちゅうさいの伝を読んで、抽斎の一子優善やすよしなるものがその友と相謀あいはかって父の蔵書を持ち出し、酒色の資となす記事に及んだ時、わたしは自らわが過去を顧みて慚悔ざんかいの念にえなかった。
梅雨晴 (新字新仮名) / 永井荷風(著)