愛度気あどけ)” の例文
それからはパツタリ来なくなつて了つたが、何か詫状のやうな手紙をよこしたさうな。若様だけに可憐しほらしい愛度気あどけない処があるよ。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
瀬蹈せぶみをしてみれば、愛度気あどけなく返答をしない。危きに慣れて縮めたきもを少し太くして、また
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「ね、ほら、一尺は違うでしょう?」と愛度気あどけない白いかおが何気なく下から瞻上みあげる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何か心に持ッているそれを悟られまいため、やはり今までどおり、おさなく、愛度気あどけなく待遇あしらおうと、影では思うが、いざ昇と顔を合せると、どうももうそうはいかないと云いそうな調子で。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)