悪酔わるよい)” の例文
旧字:惡醉
学問と修心とで、その天性を、悪いと自覚して抑えているだけに、そうした時のお顔色は、酒に弱い者が悪酔わるよいした時のように青かった。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酒は悪酔わるよいの地酒 密造酒どぶろく
飢えたる百姓達 (新字新仮名) / 今野大力(著)
しいんと頭のはちをかねの輪でしめつけられるような悪酔わるよいがのぼって来る。こめかみの脈がずきずきと聞えるほど高くつ。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
賛五郎は、酔わない振りを努めていたが、笑い声の底に、悪酔わるよいしている淋しいひびきがあった。
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)