忌服きぶく)” の例文
将軍は病気、京都守護職の松平容保まつだいらかたもり忌服きぶくとあって、名代みょうだいの横山常徳つねのりが当日の供奉ぐぶ警衛に当たった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
実に我輩も意外だつた、君の父上おとつさんがくならうとは。何卒どうか、まあ、彼方あちらの御用も済み、忌服きぶくでも明けることになつたら、また学校の為に十分御尽力を願ひませう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
父の忌服きぶくは半ば斯ういふ煩悶のうちに過したので、さていよ/\『奈何する』となつた時は、別に是ぞと言つて新しいみちの開けるでも無かつた。四五日の間、丑松はうんと考へた積りであつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)