御転婆おてんば)” の例文
千代子はただ笑いながら、大丈夫よと答えただけであったが、ふと縁側えんがわの椅子に腰を掛けている僕をかえりみて、いっさんもそう云う御転婆おてんばきらいでしょうと聞いた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「そうさな、まあ御転婆おてんばな点だけは幾分認めない事もないが——」
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「なに趣向も何も有りゃしません、ただその上から飛び下りて見ろと云うんですわ、三つや四つの女の子ですもの、そんな御転婆おてんばな事が出来るはずがないです」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あなたはあたしを御転婆おてんばの馬鹿だと思って始終しじゅう冷笑しているんです。あなたはあたしを……愛していないんです。つまりあなたはあたしと結婚なさる気が……」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)