御用提灯ごようぢょうちん)” の例文
旧字:御用提燈
御用提灯ごようぢょうちんが幾十となく、京橋の方から飛んで来た。八丁堀の同心衆が、岡っ引や下っ引を連れて、この時走って来たのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と、御用提灯ごようぢょうちんを振り立てて、同心どもに率いられた下役が、棒を突き立てているが、その人々は、群集とは、かなり距離がへだっている。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
鬼灯ほおずきを咲かせたような御用提灯ごようぢょうちんの鈴なりです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
捕り方たちは、御用提灯ごようぢょうちんを振りかざして、獲物えものを狙う獣物けもののように、背中を丸めるようにして、押しつけて来るのだったが、さりとて急には飛び込めない。相手は何しろ、当時聞えた神出鬼没の怪賊。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)