御父上おとうさん)” の例文
きこの安東あんとう村に居るんです。貞造と申して、以前御宅の馬丁べっとうをしたもので、……夫人おくさん、貴女の、実の……御父上おとうさん……」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「その……手紙を御覧なさいましたら、もうお疑はありますまい。それは貴女の御父上おとうさん英臣ひでおみさんが、御出征中、貴女の母様おっかさんが御宅の馬丁貞造と……」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
名誉に、とお思いなすったか、それとも最初はじめての御出産で、お喜びの余りか、英臣さんは現に貴女の御父上おとうさんだ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)