“御店者”の読み方と例文
読み方割合
おたなもの100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、隣の御店者おたなものは、久米の「橘屋」も耳にはいらないやうに、依然として甘栗を食ひながら、食ひつくやうな眼で舞台を眺めてゐる。
あの頃の自分の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
割合に年少とししたな善どんでさえ最早小僧とは言えないように角帯かくおびと前垂掛の御店者おたなものらしい風俗なりも似合って見えるように成って来た。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その時も自分の隣にゐた、どこかの御店者おたなものらしい、鳥打帽をかぶつた男が、甘栗を食ひながら、熱心に舞台を見てゐる方が、天下の名優よりも興味があつた。
あの頃の自分の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)