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御勘辨
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ごかんべん
ぞ
懸たりける因て久兵衞は
逃損じたりと思ひながらも
遁るゝだけは
云拔んと何卒
御免し下されよ私しは決して怪しき者に候はず
偏に
御勘辨を
云にも下男彌助めは
近來奉公に參りし者ゆゑ其邊の
差略は勿論御客樣の見分も一向に出來申さず夫が爲御氣に
障る事を申上しならんが其段は
偏へに私しに御免じ下され
御勘辨を
上げアヽ
何卒御勘辨下されよ
仰の通り持參金も離縁状も殘らず差上申べし
何卒御助け下さる樣
偏へに願ひ奉つると涙を流して
謝まるにぞ後藤は
漸々勘辨して遣はさんと云ながら引起しよく/\顏を