御使者おつかい)” の例文
「あいよ。」と嬉しそうに、あわただしく立上れば、御使者おつかい番は気の毒そうに、「そうしてもう帰っちまったわ。」「えっ。」と驚く侍女より照子は先にべったりすわり、「私はもう。」と失望落胆。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は只今王様からの御使者おつかいを受けまして、女王様が今朝けさ濃紅こべに姫の御逝おかくれになった御姿を御覧になると直ぐに、恐れ多い事ながら気が御狂い遊ばして、あるにあられぬ奇妙な事ばかり仰せられるとの事。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)