從而したがつて)” の例文
新字:従而
從而したがつて久保田君の小説戲曲の中に現れる人物は、殆ど總て、今日の文明には何物をも貢獻しない人間ばかりだ。ただ單に亡び行く世の推移と共に押流されて行く人々である。
就中彼の得意なのは、各方面の名士といづれも友達の如きつきあひがあるといふ事だつた。從而したがつて床次とこなみがどうしたとか、西園寺が斯ういつたとか、みんな呼びつけで、如何に親しいかを示した。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)