後藤宙外ごとうちゅうがい)” の例文
『国民の友』の春季附録には、江見水蔭えみすいいん星野天知ほしのてんち後藤宙外ごとうちゅうがい、泉鏡花に加えて彼女の「別れみち」が出た。評家は口をそろえて彼女をたたえた。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
さて明治三十二、三年頃後藤宙外ごとうちゅうがい『松葉かんざし』とかいへる小説に浅草公園楊弓場ようきゅうばのことを描きたり。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
あまつさえ後藤宙外ごとうちゅうがいは早稲田を出ると紅葉幕下ばっかに参じ、硯友社の客将として主宰する『新著月刊』を硯友社の新版図しんはんとに献じた。当時の紅葉は四方の書肆しょし文人来貢すという勢いであった。
当時『新小説』の編輯主任は後藤宙外ごとうちゅうがい氏であったかあるいは鈴木三重吉すずきみえきち氏であったかあきらかに記憶していない。わたくしの草稿はその年十二月発行の『新小説』第十四年第十二巻のはじめに載せられた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)