待遇あしらひ)” の例文
御養家のお気詰りなればとて、をりふし我が方へ入らせらるるを。母様の有難がりたまひ。おすしよ、団子と、坊ちやま待遇あしらひ
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
火は別にとらぬから此方こちへ寄るがよい、と云ひながら重げに鉄瓶を取り下して、属輩めしたにも如才なく愛嬌を汲んでる桜湯一杯、心に花のある待遇あしらひは口に言葉の仇繁きより懐かしきに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
お紋は下へも置かぬ待遇あしらひでした。
湯治にも遣つて戴きたし、次にはまた奥様より世間並の召使ひ待遇あしらひこれも前以てお断り申上げたしなど、有らむ限りの我儘述べ立てたるは、本宅へ這入らじとのたくみなりしに
野路の菊 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
お詞さへもいつしかに、どうせいかうせいの下女待遇あしらひ。いかに養はれてゐればとて、そんな筈ではなかりしと、奥様が今日この頃の不平の矢先。旦那様よりまた横柄なる御註文。
今様夫婦気質 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)