弄花ろうか)” の例文
彼女も、そうした社会の女人にょにんゆえ、早熟だった。彼女は遊びとしては、若手の人気ある俳優たちと交際まじわっていた。そして彼女がもっとも好んだものは弄花ろうか——四季の花合せの争いであった。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
余も基督信徒となりしより芝居も寄席も競馬も弄花ろうかもことごとく旧来の玩味を去り、独り事業ちょう念はしきりに胸中に勃興してほとんど禁ずるあたわざるに至れり、或はのリビングストンを学び
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
そして彼女のはなはだしい道楽——彼女が生甲斐いきがいあるものとして、生きいるうちは一日も止めることの出来ないように思っていた、芸人を集めて、かるた遊びをしたり、弄花ろうかなぐさみにふけることは
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)