庚申塔こうしんとう)” の例文
東の空に光る宵の明星をめあてに、只管ひたすらに二里ばかり歩きつづけましたが、そこで一筋の広い道が東から来て筋違すじかいになるところの庚申塔こうしんとうの前に立って、行先に迷うていました。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
馬頭観音ばとうかんのんもしくは庚申塔こうしんとうなどを立てるのと同じく、しかも何の不思議かと問えば、たいていは山の神に不意に行逢うた、怖ろしいので気絶をしたという類で、その姿はまぼろしにもせよ
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)