庚寅かのえとら)” の例文
呂后千夫りょこうせんふ』は抽斎の作った小説である。庚寅かのえとらの元旦に書いたという自序があったそうであるから、その前年に成ったもので、即ち文政十二年二十五歳の時の作であろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
石原の松蔵は天保元年の庚寅かのえとら年の生まれということが判りました。
半七捕物帳:31 張子の虎 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
庚寅かのえとら臘月ろうげつ。もう八ツ寝るとお正月といふ日
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)