平太夫へいだゆう)” の例文
危くつき当りそうになった摩利信乃法師まりしのほうしは、咄嗟とっさに身をかわしましたが、なぜかそこに足を止めて、じっと平太夫へいだゆうの姿を見守りました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そこにはあの平太夫へいだゆう高扇たかおうぎを使いながら、欄干に身をよせかけて、例の摩利信乃法師まりしのほうしと一しょに、余念なく何事か話してるではございませんか。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
平太夫へいだゆうと申しますわたくしくらいの老侍おいざむらいが、これも同じような藤の枝に御文を結んだのを渡したなり、無言でまた、その扉をぴたりと閉めてしまいました。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)