常住坐臥じょうじゅうざが)” の例文
この花やかにしゃちこばった気分がドイツ大学生特にいわゆるコアー学生の常住坐臥じょうじゅうざがを支配しているように思われるのであった。
ベルリン大学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
常住坐臥じょうじゅうざが国家の事以外を考えてならないという人はあるかも知れないが、そう間断なく一つ事を考えている人は事実あり得ない。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自然とそなわる貴族的なる形の端麗、古典的なる線の明晰を望む先生一流の芸術的主張が、知らず知らず些細ささいなる常住坐臥じょうじゅうざがあいだに現われるためであろうか。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
常住坐臥じょうじゅうざが、釣竿と一緒に起き、釣竿と一しょに寝ているのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
れは坑夫などの夢にも知りようはずがない漢語を安々と、あたかも家庭の間で昨日きのうまで常住坐臥じょうじゅうざが使っていたかのごとく、使った。自分はその時の有様をいまだに眼の前に浮べる事がある。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)