山庫やまぐら)” の例文
俗にお山庫やまぐらとよぶ土蔵の白壁の前に、やがて、さまよう人影があったのは、お蝶と龍平であったでしょう。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かの女は、このお山庫やまぐらの中に、およそどんな貴重品があるかをよく知っている。それは春の日永な頃などに、二官が調べものの書類をさがすのを手伝いながら、あきるほど見覚えていたものでしょう。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)