居所いどこ)” の例文
おれ達は頼まれただけの仕事をして、丸多の主人の居所いどこさえ突き当てりゃあいいようなものだが、唯それだけじゃあ納まるめえ。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
文「実は差当り居所いどこに当惑いたしましたので、お頼みにまいりました、何分よろしく、お町丁度かったなア」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
大森のかみさんは曖昧なことを云っていましたが、ほかの女中にカマをかけて、鶏を売りに来た奴の居所いどこをちゃんと突き留めて来ました。
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
き立てるおいの一徹、性急なのは恒太郎もかね/″\知って居りますが、長二の居所いどこが直に分ると申しましたのは、只年寄に心配をさせまいと思っての間に合せでございますから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
行違ゆきちがいまして、又ぞろ江戸へ引返ひっかえしてまいるような事になりました、此の上は松平公の御家中藤原を頼み、手続きをもって尋ねましたなら、蟠龍軒の居所いどこの知れぬことも無かろうと思います
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そうすると、寅という奴は千太の居所いどこを知っているわけだな」