尖端とがり)” の例文
目前の獲物に気を奪われていた𤢖共は、暗い中から突然おどり出たお葉の姿に驚くひまもなく、彼女かれ逆手さかてに持ったる簪の尖端とがりは、冬子に最も近き一人いちにんの左の眼に突き立った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
柵の頭の尖端とがり々々には、殆んど一本毎に真赤な蜻蛉が止つて居る。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)