小女ちび)” の例文
で、言うべき文句迄こしらえて、掻くようにして昼を待っていると、昼が来て、成程手隙てすきだから、ほかの者は遊んでいて小女ちびが膳を運んで来る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お初さんが、川向うの泰仁寺へ行ったはずだ——吉ッつぁんがいているから、駆けつけて、知らせろッてネ——小女ちびが、その手紙をあッしの穴へ持って来てくれたんです。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
其なら仕方が無いようなものだけれど、小女ちびのは掃除するのじゃなくて、ほこりをほだてて行くのだから、私が叱り付けてやったら、小女ちびは何だか沸々ぶつぶつ言って出て行った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
というのは聞慣れた小女ちびの声で、然う言棄てて例の通り端手はしたなくバタバタと引返ひッかえして行く。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)