小右京こうきょう)” の例文
つい、おととし頃までは、西華門院(後宇多ノ後宮)の内で小右京こうきょうつぼねとよばれていた小女房だった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「たしか法師は、後家の小右京こうきょうを昔から知っていよう。花は盛りにのみ見るものかは、正直、道誉はいま、乱るる恋に乱れているのだが、どうじゃ、ひとつ仲を取り持ってくれまいか」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わし自身とて、いとしい小右京こうきょうとも別れ、公卿の栄耀えようもすてているゆえ、そこは眼をつぶっているが、しかし、何も知らぬ貧しい良民ほどあわれなるはないのう。……そうだ、持ち合わせの旅薬たびぐすりがある。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼も、家に残してある妻の小右京こうきょうを思い出したことでもあろうか。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もしやそのかみの、小右京こうきょうさまでございませぬか」
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)