“小冠者（こかじゃ）” の例文
小冠者（こかじゃ）は、気負う鶏を抱えながら、相手の鶏と、距離をとって、しゃがみこんだ。
新・平家物語：02 ちげぐさの巻 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
小冠者（こかじゃ）出（いで）て花見る人を咎めけり
俳人蕪村 (新字旧仮名) ／ 正岡子規(著)
かかる大役に、わざと小冠者（こかじゃ）のそちを選んだのは、敵を計るためでもある。
私本太平記：02 婆娑羅帖 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
で、人は、「どこの小殿（ことの）であろ」「何をする武者やら、小冠者（こかじゃ）やら？」
新・平家物語：02 ちげぐさの巻 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)
上西門院の花園に、かの君もまだ稚（おさな）く、自分もまだ小冠者（こかじゃ）であった日の、女蝶（めちょう）男蝶（おちょう）のようなふたりがチラチラ相会うのである——。あわれ年ごろ恋い痩（や）せの男の、狂い死にをも、見すごし給うか。
新・平家物語：02 ちげぐさの巻 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)