小倉庵おぐらあん)” の例文
小倉庵おぐらあん長次の近くだった。梅暦うめごよみ挿絵さしえで見るようなはぎまがきで一軒家、家賃も安いし、近所も気楽である。そこへ、越してからすぐ札を出したのが
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
閣老の阿部伊勢守に取り入って今の財産をこしらえたのだと云われる小倉庵おぐらあん長次は、割烹りょうりやの亭主だった。向島きッての宏壮こうそう普請ふしんが出来たのも近年で、自分は、隣りに、小ぢんまりと、住んでいた。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)