小一時こいっとき)” の例文
みゃくを診るのに両方の手をつかめえて考えるのが小一時こいっときもかゝって、余り永いもんだで病人が大儀だから、少し寝かしてくんろてえまで、診るそうです
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それから小一時こいっときほどたって、同じ額堂下の甘酒屋へ、同じような風合羽を着た道中師らしい二人の男が、ついと入って来て、二人向き合って縁台に腰をかけて
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いよいよ大粒がばらばら落ちてくるまでには小一時こいっときぐらいの猶予はあります。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夜はけて一際ひときわしんと致しますと、新吉は何うも寝付かれません。もう小一時こいっときったかと思うと、二畳の部屋に寝て居りました馬方の作藏がうなされる声が
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ええ、ええ、間違いございません、確かにおいでになりました、たった今でございます、小一時こいっときほど前のことでございます、ここで甘酒を召上りになって、角兵衛獅子に散財を
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)