導引どういん)” の例文
なにしろ、大湯おおゆの横にひッついている湯番小屋で、五刻いつつの拍子木を打ち、導引どういんの笛がヒューと澄む頃までは、このかしましさがやまないのである。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
導引どういん梅賀ばいがは、頭巾ずきんをとって、お袖にわたした。六十にはとどくまいが、年のわりに、頑健な骨ぐみをしている。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかにも二十余年前には、権六どののお腰はおろか、猿めは、導引どういん上手うまいとて、御一門の衆などには、わけてよう揉ませられたものじゃった。そして、お菓子など賜わると、うれしくてなあ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さびしい導引どういんの笛が、高札場から左のうす暗い片側町を流して通ります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
導引どういんはいかが、導引はいかが」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)