寃枉えんおう)” の例文
婦人のために寃枉えんおうを訴えけるに、そのしるしなりしやいなやは知らねど、妾が三重県に移りけるのち、婦人は果して無罪の宣告を受けたりとの吉報きっぽうを耳にしき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
政朝に鍾馗しょうきを設けて、寃枉えんおうの訴えをきくという故事は、王代の昔だ。このデモクラテックな制度が復活して、目安箱という、将軍吉宗の命に出るものだが、忠相の建策だ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)