家船エンベ)” の例文
花やかな色で隈どつた船が二艘、大分離れて、碇を卸してゐるのは、烏賊釣りに来てゐる天草の家船エンベだ、と教へてくれた。其は、機関の湯を舷に汲み出して、黒い素肌を流して居る船員の心切ぶりだ。
雪の島:熊本利平氏に寄す (新字旧仮名) / 折口信夫(著)