家尻切やじりき)” の例文
「人間わづか五十年、一人殺すも千人殺すも、とられる首はたつた一ツ、とても悪事を仕出しだしたからは、これから夜盗、家尻切やじりきり……。」
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
さあ如来衛門出てうせろ! 尋常に姿を見せるがいい! うぬは泥棒か家尻切やじりきりか、他人ひとの館へ忍び込み、大事な女を盗もうとは、それでも達者だてしゃかそれでも達者か!
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
鍋墨の雁八とも別れてからのち、大阪地方専門の家尻切やじりきりになりましたが、或る処で居直って人を殺したお蔭で、手厳しく追いこくられましたので、チョット商売にオジ気が付きましたものか
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)