宮廷きゅうてい)” の例文
これは見ものだというので、子供も女も寄り集まって見に出た。使節の一行は幾台かの馬車をつらねてホテルから宮廷きゅうてい拝謁はいえつに出かけた。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そのころ——というのは、アシュル・バニ・アパル大王の治世第二十年目の頃だが——ニネヴェの宮廷きゅうていみょううわさがあった。毎夜、図書館の闇の中で、ひそひそとあやしい話し声がするという。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そこで日本の使節もよいことを聞いた、小笠原流にもない礼法を学んだと喜び、いよいよ宮廷きゅうていに達し拝謁はいえつするとき、使節は玉座ぎょくざの前でみな手を鼻に当てた。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)