室津むろのつ)” の例文
『てまえは、御母堂の乗っておられた便船へ、室津むろのつから同乗した者ですが、何ぞ御紛失物はありませぬか。御懐中のものでも』
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
九郎右衛門は渋りながら下関から舟に乗って、十二月十二日の朝播磨国室津むろのつに着いた。そしてその日のうちに姫路の城下ひらまちの稲田屋に這入はいった。
護持院原の敵討 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
筆者貫之朝臣の一行が土佐を出てより海上の斎忌タブー厳しく慎みおりしに、日数経てやっと室津むろのつに着き