定規ぢやうぎ)” の例文
新助の背中の傷は、定規ぢやうぎで引いたやうに眞直ぐに斬り下げてありますが、人間の手で斬つたんでは、あんなに行くものでは御座いません
私たちの本を天井てんじやうまではふり投げるやら、定規ぢやうぎとで、煖爐圍ストーブがこひと火爐具とで、大騷動を演じるやら大變でしたの。
所がその真贋なり巧拙なりの鑑定は何時いつでも或客観的標準の定規ぢやうぎを当てると云ふわけに行かう筈がない。
鑑定 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しかし、そんな定規ぢやうぎみたいな「ほがらか」なんぞはおやめなさい。
酒場にて (新字旧仮名) / 中原中也(著)
右の肩下から、五寸ばかり定規ぢやうぎで引いたやうに斬り下げた刀創かたなきずは、さまで深いものではありませんが、血の出やうがひどいやうですから、隨分氣の弱い者は眼位は廻すでせう。