“嬾(ものうく)” の例文
違棚(ちがいだな)の狭(せま)い上に、偉大な頭陀袋(ずだぶくろ)を据(す)えて、締括(しめくく)りのない紐(ひも)をだらだらと嬾(ものうく)も垂らした傍(かたわ)らに、錬歯粉(ねりはみがき)と白楊子(しろようじ)が御早うと挨拶(あいさつ)している。立て切った障子(しょうじ)の硝子(ガラス)を通して白い雨の糸が細長く光る。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)