娑婆塞しゃばふさ)” の例文
「こんないい人を」と治兵衛は太息をつきながら云った、「ろくでもない娑婆塞しゃばふさげがうじゃうじゃいるのに、こんないい人間をとられるなんて、神ほとけを恨みたくなりますよ」
「とりあげ」に来たなどという事なんだ。世の中には、随分、娑婆塞しゃばふさげな、死損しにぞこないな
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どうせ娑婆塞しゃばふさぎであろうが、それでも産声うぶごえだけは確に挙げた。持前の高笑いは早くもその時にきざしていたものと見える。明治八年三月十五日の事である。ただし生れた時間は分らない。