契合けいごう)” の例文
自己の理想とが契合けいごうする場合か、もしくはこれに引つけられたる自己の理想が、新しき点において、深き点において、もしくは広き点において
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
綱吉も戌年いぬどし生れなら、柳沢出羽守も、戌年だった。その点でも、この主従には、迷信的な契合けいごうがふかいらしいのだ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その運命的な契合けいごうは、ツルゲーネフの人生観の上にも作風の上にも、消しがたい烙印らくいんしています。
「はつ恋」解説 (新字新仮名) / 神西清(著)
そこで私がひそかに考えるには、彼と武蔵との関係は、当年の春山はむしろ求道ぐどうの壮年僧で、剣と禅との一道に契合けいごうしたことは事実でも、実際は武蔵のほうがずっと年長でもあったし
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)