太々ふて/″\)” の例文
大黒屋徳右衞門の太々ふて/″\しさ、盜賊を一杯かつぐ氣で、砂利詰の千兩箱を並べ、その上で屠蘇とその杯をあげるなどは、いかにも人を喰つたやり方です。
酒飮みらしく赤くたゞれて、そのどんよりと濁つた眼つきには踊りが餘り手に入り過ぎたせゐでもあらうが、太々ふて/″\しく落ち着いた、人を馬鹿にしたやうなところがある。
二月堂の夕 (旧字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
東作の太々ふて/″\しさと、そのたくらみの深さに壓倒されて、彦兵衞は燃ゆる眼に宙を見たまゝ、血の出るほど唇を噛みました。
一つは、商人の家の空氣の中に住むと、六郎は全く始末の惡い存在で、その荒々しい氣風と、喧嘩早い太々ふて/″\しさは、みんなから反感を持たれるのも無理のないことだつたのです。
三輪の萬七は中年者の太々ふて/″\しさをむき出しに、お神樂かぐらの清吉にあごをしやくるのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
太々ふて/″\しいことを言ふのです。