天性もちまえ)” の例文
話の調子の低いのが天性もちまえである養父は、かさにかかって言募って来るおとらの為めに遣込やりこめられて、しまいにはなだめるようにことばを和げたが、矢張やっぱりいつまでもぐずぐず言っていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
結納の取換とりかわせがすんで、目録が座敷の床の間にうやうやしく飾られるまでは、お島は天性もちまえの反抗心から、はたいつけようとしているようなこの縁談について、結婚を目の前に控えている多くの女のように
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)