大虎杖おおいたどり)” の例文
姥百合うばゆり大虎杖おおいたどり、水芭蕉、夜衾草よぶすまそう、矢車草等の巨大なるものが見られたのも、このあたりからであったが、最早もはや原始の面影を失ってしまった。
白馬岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
と、また私たちは、高原の、一路坦々たる、大虎杖おおいたどりの林の中に在る私たちを見出した。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
草間を押し分けて河原に下ると、大虎杖おおいたどりの叢が一斉にひろい葉を拡げて、強烈な日光を浴びながら懶そうに首垂れている。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
両岸に生えている大虎杖おおいたどりの若芽が噛み切られている跡を注意して見ると、初めは切り口が褐色に変っていたのが、上るに従って次第に新しいものとなり
北岳と朝日岳 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
抜足で縁を通りながら叢を通り抜け、大虎杖おおいたどりを薙ぎ倒して、横に長く河岸にわだかまっている大磐石の背に躍り上った。折尾谷に着いたのである。午後二時三十分。
黒部川を遡る (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)