大徳院だいとくいん)” の例文
是がまことに怪我の功名と申すものかと存じます。文政ぶんせいの頃江戸の東両国大徳院だいとくいん前に清兵衛と申す指物の名人がござりました。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
保吉もまた二十年ぜんには娑婆苦しゃばくを知らぬ少女のように、あるいは罪のない問答の前に娑婆苦を忘却した宣教師のように小さい幸福を所有していた。大徳院だいとくいん縁日えんにち葡萄餅ぶどうもちを買ったのもその頃である。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)